「ゲージツカントクの部屋」 緊急特別編 ユリアン・シュテッケル

「ゲージツカントクの部屋」緊急特別編です。今回は、オープニングコンサートに出演される ユリアン・シュテッケルさんに、沼尻監督が直撃インタビュー!

 

-- あまりにも有名なドヴォルザークのチェロ協奏曲ですが、この曲との出会いは?

子供の頃、両親の持っていたジャクリーヌ・デュ・プレのレコードを擦り切れるほどヘッドホンで聴きました。ヘッドホンなら好きなだけ大音量で聴けたからです。その後はいろいろなスター達の演奏をライブでも聴くようになりました。ライブでは偉大な奏者たちの人間性を感じ、録音ではそれぞれの個性がよくわかりますね。

--- ここが好き!というところはありますか?

それは難しい(笑)。どこをとっても良いですからね。オーケストラの前奏が始まっただけでもう鳥肌が立つし、「これからドヴォルザークが弾けるなんてすごい特権だ」と思うわけです。曲の最後にチェロが高音で「白鳥の歌」を奏でるところに来ると、「お客様と一緒に第1楽章からずっと旅をしてきたんだな」と感慨深いです。この部分では、今では過去となってしまった音たちへの想い、届かぬ愛、清らかな世界と自然への憧憬など、さまざまな感情が沸き起こります。本当に素晴らしい作品です。

--- 生徒にこの曲を教えるときは、どんなことに重点を置きますか?

技術的なことはもちろんですが、大事なのはスコアの勉強です。オーケストラの誰がどんな事を演奏しているかを知らなければなりません。チェロだけがメロディーを弾いているのではないのですから。 ドヴォルザークの交響曲や室内楽作品を勉強することも重要です。また、彼の信仰について知ることも。

--- 使用楽器について教えてください。

1685年製のアンドレア・ガルネリです。

--- うわっ!バッハの生まれた年に製作されたチェロなんですね。

非常に強い個性を持った楽器で、常に思い通りになるわけではないけれど、自分の思ってる以上の表現をしてくれるのです。

--- 日本は何度目ですか? 今回日本でしたいことは?

2013年に一度演奏に来たことがあります。今回は走り回ってあちこち見てみたい。お腹が空いたらもちろん日本料理を食べますよ!

--- ダンケ・シェーン!ありがとうございました。《近江の春》での共演を楽しみにしています!

ⓒMarco Borggreve

オープニングコンサート/中村恵理(ソプラノ) 沼尻竜典(指揮) ユリアン・シュテッケル(チェロ)京都市交響楽団

公演番号 27-L-1

4月27日(土) 11:00~12:00 大ホール

ヴェルディ:歌劇『運命の力』より「序曲」「神よ、平和を与えたまえ」

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104

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