「ゲージツカントクの部屋」沼尻竜典×高木綾子

びわ湖ホール芸術監督・沼尻竜典が高木綾子さんに直撃インタビュー!

   (C)FUMI

~フルートの人間臭く激しい部分も感じてください

沼尻:フルートと出会ったきっかけを教えてください。

高木:母がピアノを弾くので、父と一緒に弾けたら良いと思って結婚するときにフ ルートをプレゼントしたそうなんです。でも結局その楽器は吹かれることは なく(笑)。私が8歳の時、手が小さいのでピアノ以外の楽器をやりたいと 思ったのですが、「フルートならウチにある!」と言われて始めました。

沼尻:今回のリサイタルは無伴奏作品ばかりですね。

高木:無伴奏の作品には、作品が書かれたそれぞれの時代に、フルートという楽器に求められていたものが何なのかがよく出ています。フルートには「優雅 で軽やか」というイメージがあると思いますが、実はもっと人間くさいとい うかドロドロした部分や激しいところもあるので、そういった表情も、ピア ノ伴奏で演奏する時よりも生々しく感じていただけると思っています。

沼尻:3人のお子さんの子育て、教授活動、演奏活動と、息をつく暇もない毎日で は?

高木:私欲張りなんで、やりたいと思ったことは全部やるんです(笑)。結果としてこ うなったわけですが、子育てが教授活動に役立ったり、その逆もあります。こ んな生活が最低でもあと10年は続くので、皆さん応援してください(笑)。

【びわ湖ホール情報誌「湖響」No.84より】