中嶋彰子 スペシャル・インタビュー

4/29(土・祝)11:00~オープニング・コンサート(大ホール)、4/29(土・祝)17:00~小ホールのコンサートに出演するソプラノ歌手 中嶋彰子さんにお話を伺いました。

「本場のウィーンの風」

Q1.ウィーン市立音楽芸術大学声楽科で、日本人初の教授として指導されている中嶋さん。ウィーンの魅力とは?
 ウィーン人には「片目で笑って片目で泣く」と言われる特有の感性があります。シューベルトの音楽にも感じられるような、冗談の中にも悲しさがあり、悲しみの中にも微笑みがある、といった感覚です。
 私は15歳で渡豪し、その後ウィーンでは約30年間歌い続けてきました。「オーストリア共和国のために貢献した外国人アーティスト」として表彰された経験もあり、自分のことを「日本人」だとはあまり意識していません。琵琶湖畔に本場の「ウィーンの風」をお届けしたいと思っています。


Q2.プログラムの聴きどころを教えてください。
 リサイタル(小ホール公演)は、ウィーンの作曲家を時代とともに辿るプログラムとなっています。コルンゴルトやシェーンベルクといった、大戦の影響でアメリカに帰化した20世紀の作曲家にも焦点を当てました。この時代は「GOLDEN ERA(黄金時代)」と呼ばれていて、ウィーンの音楽がブルース・ジャズなどに出会い、深化していく重要な分岐点だと考えています。皆さんにも体感していただきたいです。
 また、京都市交響楽団と共演する「オープニング・コンサート」と小ホールのリサイタル、両方の公演でJ.シュトラウスⅡ世の「ほろ酔いの歌」を歌います。“冗談”がたっぷりでウィーンらしさ溢れる作品です。堅いドイツ人には絶対歌えない曲だと思います(笑)。管弦楽とピアノとでぜひ聴き比べていただきたい!と考えて選曲しました。


Q3.お客様へメッセージを!
 もともと上品な日本人のお客様は、コロナ禍でますます表情が見えず、舞台で歌っていても「楽しんでくださっているかしら?」と感じることもあります。そんな“ 空気”を「ウィーンの風」で吹っ飛ばしたいと思います!

びわ湖ホール情報誌 湖響No.96より